listen こえびメモ

リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

失われた光はかたちを変えて

 

今日も

星の部屋で目覚める

 

庭の葉っぱかたちをした

木漏れ日が

ゆらゆらしていて

 

すりガラス越しの

緑色のグラデーションに

部屋中が包まれている

 

大家さんが

落ちた柿の実を

ほうきで掃いている音がして

 

8時前にアラームが鳴ったら

「らんまん」をつける

わたしはこのオープニングが

とっても好きなのだ

 

 

 

 

誕生日の前は

いつも気持ちが

不安定だったような気がするけど

 

ただの数字に

どんな意味をのせるかは

自分の心が決める

 

世界がこれだけ過酷で

ふるいにかけられている中で

 

どう考えたって

今ここにいられることに

感謝することでしかないというか

 

諦めというような

開きなおりというような

 

肚が据わってきたのかもしれない

 

 

 

 

若い人が亡くなることは

とても悲しい

 

純粋で美しい魂は

一番星のように光を放ち

 

世界を照らす

役割を持っていて

 

その空が暗ければ暗いほどに

小さな羽虫が

よりどころを求めて集まってくる

 

 

 

 

いつもの星が輝いていると

心がホッとするように

 

星のひとつがなくなることは

 

この世界が

その明るさのひとつぶんを

失うということ

 

 

 

 

世界はいつも

関係ないようで

関係しあっていて

 

繋がっているからこそ

もつれたり

ひっぱりあったり

 

それゆえにまた

救われることもあって

 

 

 

 

だから

どうしたってやっぱり悲しい

 

それは

わたしのなかから

光が失われたのと同義だから

 

しかしながら

その光が最後に残したものが

 

なにかを強く象徴し

結果的に

全体を守ったのだということも

感じる

 

 

 

 

 

とにかく

世界はとても暗くて

 

ふるいにかけられている

しずかな戦争の

 

この暗さの中で

なんとか踏ん張って生きている

 

わたしや

わたしの愛するひと

かけがえのない大切なひと

 

そして無関係に思える

満員電車でとなりあう人や

わたしの嫌いな人にいたるまで

 

どうか幸せでありますようにと

願うばかり

 

 

 

 

わたしの誕生日は

今年はそういう日にしよう

 

今ここにいられることを

ただ喜ぶこと

感謝すること

 

 

そして

ほんのささやかに

 

わたしが

心に抱いてきた

ささやかな夢を

 

そっと取り出して

またそっと

しまう日にしよう

 

 

 

 

 

失われた光は

かたちを変えて

 

たとえば

ガラスの星々の

 

草木の咲穂の

光の水たまりの

 

なにげない会話の

やさしいひとことの中に

 

愛する人

瞳の中に

 

 

 

 

今ここに生きているという

たしかな

力強さに