世界は暗喩に満ちていて
まるで
宝探しのようだ
わたしが
描いていた
ささやかな夢が
ぽろりとこぼれ落ちたとき
遠慮せずに
あなたの人生を
生きていいんだよ
とその人は言った
きっとその夢は
この世界のどこかに
存在しているはずだから
おおきく窓を開けなさい
広い景色が見えるように
と
すこし距離のある
この街のなかにも
わたしとよく似た人たちが
存在している
重なった色のレイヤーが
交わりそうで交わらずに
やわらかくすれ違いながら
ときに虹のように
カラフルにひしめきあい
窓辺の風は
きっと
周波数のように
ふとしたひらめき
導かれた場所で
わたしと
遠くの景色を
つないでいくだろう
たとえば今日
ふと
連れていかれた
小さな教会の
ステンドグラスから
射しこむ光と
磨りガラスに映る
秋の赤と黄色
ヒビが入った
窓辺の天使
床に落ちた光
靴先のきらめき
古びたポスター
交わした冗談の
あちらこちらに
宝探しのように
落ちている
