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リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

そんなに器用でもなかった

 

デザインというのは

あくまでも自分とは切り離した生業なので

うまく距離をとるのがいい

 

なぜなら

それはあくまで他者のものであり

どんなに愛情を注いでも

自分の娘にはならないからだ

 

 

 

 

それは分かっているのだけど

思わず熱がこもってしまって

自分のものだと思い込んでしまったとき

境目があいまいになり

 

思わぬところで

うっかり油断して

傷ついてしまうことがある

 

 

 

 

本気にならなければ

傷つくことはないのだけど

 

いいものを作りたいと思えばこそ

理解して好きになって大切に思うのは

あたりまえだとも思う

 

対象としてのあなたという商品を

誰よりも理解しているという確信があるから

 

もっと魅力的にみえるように

もっと輝くように

どうすればいいか

どんなストーリーとデザインを演出すればいいか

わたしにはぜんぶの答えが見えている

 

全部見えてる

勝算もある

わたしに権限さえあれば!

 

しかし

残念ながら

 

あなたの所有者は

わたしではないのだ

 

擬人化するほど愛が深くても

 

 

 

 

 

ボツになるのは

ちっとも平気

 

だけど

エッセンスだけ残して

わたしの生み出したものが

勝手に好きなようにいじくられて

手元に戻ってくる時

 

自分のじゃないとわかっていても

虚しくなるね

 

わたしのなにかが汚された、と思う

なにかが奪われる感じがする

 

 

 

 

 

これは

 

なんというか、、、

 

体験したことがない感じで

 

とてもしんどい

 

一瞬だけ泣きそうになった

たかが仕事で

泣きそうになることなんてないのに

 

 

 

 

 

しかしよくよく考えてみると

書体とか色とか

紐解いてみれば

ささいなことだったりして

 

だけど

 

何度も言葉でやりとりするのと

勝手にビジュアライズされて返ってくるのは

衝撃がぜんぜん違って

 

なにが違うんだろうね

 

さっきから答えを考えてる

 

 

 

 

 

これがもし

自分の魂をのせた作品だったとしたら

けっこう立ち直れないかもな、と

 

すこし前に話題になった

漫画家さんのことを思い出す

 

要望をもらうのはぜんぜん嬉しい

没になるのも悔しいけど仕方ないと思う

それはひとつのコミュニケーションだから

 

だけど

勝手に作品を手直しされると

たいせつな領域が侵されたようで

自分自身が軽く扱われているようで

えぐられるのだろうな

 

 

 

 

 

デザインを生業にするには

ちょっと魂をのせすぎてしまうので

もうすこし適当にやらねばと思いつつ

 

うまく距離をとれるものと

そうでないものがある気がする

 

切り離す技術がいる

 

あと相手ってすごく大切ですよね

愛があるかどうかなのだよね

結局のところ

 

 

 

 

 

こんなに仕事と割り切っていても

こんなに簡単に傷つくのだ

 

仮面を被らずに

生身で対峙するのは

どれほどしんどいことだろうね

 

 

 

 

 

そうして生きている人の

なんて強いことでしょう

 

そのことを思うと心が震える

 

だって作品を否定されることは

自分を否定されることと同じじゃないですか

 

考えただけでしんどい

 

 

 

 

 

作品と商売

デザイナーという仮面と生身の自分

 

分けられてよかった

別で表現できるようになってよかった

 

これがくっついているうちは

かなりしんどかった

 

今はすごく

バランス取れるようになってきた

 

自分の作品だけは

誰からもいじくられないから

メンタルが守られる気がする

 

 

 

 

 

 

愚痴っぽくなってしまったので

これはそのうち消すかもしれない

 

オチもないです

ただの羅列

 

まあなんというか

そんなに器用でもなかった