同じような構図で
同じようなことが
何度も何度も繰り返されている
不思議なのは
それが同じような構図で
何度も起きていることなのだと
ほとんど気づかれていないことだ
ほんとうに悪意のあるものは
愛をささやきながら
近づいてくる
みんなのためを
思っているんだよって
きれいな言葉ほど
かんたんなものはない
以前と同じように
その空間に存在していても
同じ世界に生きているようで
同じ世界を生きていないことがある
二又に分かれた道を進むにつれて
はじめは聞こえていた足音が
すこしずつ遠ざかっていき
だんだんと
交わらなくなっていく
よりよい場所へと
それぞれの人が向かっているのだ
他者としてのわたしは
引き止めるのでもなく
悲しむのでもなく
あなたの道がどうか
いつも幸せであるようにと
祈るところまでしか
踏み込むことができない
それが他者を
尊重するということだから
気づきが起きる瞬間は
偶然のような姿をしていても
必然なのだと思う
芽をだす瞬間がいつなのか
種にしかわからないし
種にだってわからないかもしれない
夢の中で
最愛の妹が亡くなる夢を見た
わたしには妹はいない
みんなで美味しいラーメンを食べて
今日の面会を彼女にとって
いちばん幸せな日にしようと
まだ生きている彼女を
心のなかで弔った
あの妹はなにを象徴していたのか
すこしずつ
分かれていく道で
過去に対しての
わずかな郷愁を
心の中でそっと
弔っていく
出会えたすべてのものに
感謝をたずさえながら
ひとつずつ
分かれ道と向き合い
わたしはわたしの道を
えらんでいく
