こんな夢をみた。
電車から降りてきた男性が
とても彼に似ていたので
もしもし、と声をかける
振り向いた顔はしわしわで
まるでおじいさんみたいだ
あっ人違いだった
と思ったのだけど
手をぎゅっと握って
歩きやすいように背中を支えてあげた
おじいちゃんの匂いがする
わたしを見て
さびしそうな顔をするのを見て
そっと抱きしめると
身体はあたたかく
いつもとおなじ感触がした
やっぱり
このおじいさんは彼だ
見た目はしわしわだけど
このおじいさんは彼だ
抱きしめながら
なぜこんなに
しわしわになってしまったのか
と考える
しわしわって治るのかしら
いっぱいお水を飲ませてみようか
それともお薬だろうか
考える
治らなかったら
どうしよう
いやだなあ
おじいちゃんだなあ
あんなに格好よかったのになあ
やっぱり残念なのだった
だけど
しわしわかどうかが
そんなに重要なのだろうか
とも思えてきた
しわしわでも
彼は彼だ
それにわたしだって
鏡を見たら
しわしわなのかもしれない
彼が大切だってことは
変わらないのだから
しわしわでもいいではないか
と思った
