こんな夢をみた
どこかの避難所だろうか
大勢の人がいてざわざわしている
なにかが起きているのだろう
人々のお喋りはすこし興奮混じりだけど
家の中でニュースを見ているみたいに
どこか安心している
ここは人もいるしあたたかい
月明かりが雲の隙間から漏れている
空はとても暗く
稲光の余韻がぴかぴかしている
だれかが「ほら、あれ！」と空を指さす
ふいに空のうえのほうに
大きなUFOのような光が浮かぶ
UFOはふわふわと漂いながら
尖ったギターのフォルムをして
ベージュ色の見覚えのある形になった
ギター？
そのベージュ色のギターは
ふわふわと漂いながら
まっすぐわたしの頭上に降りてきて
わたしの頭の上にくるころ
なぜか青い色に変わっている
浮かんでいるギターをそっと手に取り
まじまじと見つめると
青い色の見覚えのある形をしていて
隣の人が
「あんたそれは価値のあるものだね」
と教えてくれる
たしかにとても価値がありそうで
裏側をじーと見てみると
見覚えのある文字が刻まれている
文字は読めない
小さな傷がたくさんあり
そのぶんまろやかな艶があり
きっと大切なものなのだろう、と思った
そっと抱きしめると
ひんやりとした重さがあり
弦を鳴らしてみると
びよんとおかしな音がした
わたしには勿体ないなあと苦笑して
どうしてここに来たの？と尋ねてみる
ギターはじーっと黙りこみ
愛らしい風情で
わたしの腕に収まっている
