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リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

新旧のわたしが入れ替わる

 

 

 

木曜日の朝

授業の始まりの日

 

渋谷駅で電車を待つあいだ

とてつもなく身体が重たくて

このままどこかに消えたくなった

 

 

 

 

 

去年だったか一昨年だったか

自分のWEBサイトを

ようやく公開しようという直前に

同じように消えたくなった

 

理由はよくわからないけど

自分を開いていく瞬間の

なにか得体の知れない

おそろしい気持ち

 

死にたい気持ちと

生きたい気持ちは

 

いつも

コインの裏表のように

くっついている

 

 

 

 

 

もちろん本気なわけもなく

ただ時たまふと浮かんでくる

この不思議な感傷について

納得のいく説明をしている人はいないかと

YouTubeのなかに答えをさがす

 

あ、これだ

と思う

 

わたしとおなじ気持ちが

液晶の中で繋がる

この時代に生きていてよかった

 

 

 

 

 

 

なにか、いまの状態が

本来の姿と著しくずれているとき

ほんとうの気持ちにフタをしている状態が息苦しくて

ふと、

地球に生を受ける前の

肉体のない身軽な魂の状態に

戻りたくなるのだという

 

 

 

もうこの生き方はやめたい

「もと」に戻りたいんだという

あたらしい強い渇望と

 

変化を恐れるあまりに

現状維持を続けようとする

古い自分との

 

新旧の

押し問答がスパークして

 

「ああもう何もかもどうでもいい」

「もう全部やめたい」

 

っていうあれが

「消えたい」の正体なのだと

 

 

 

 

文字どおり

古い自分が一度死んで

生まれ変わろうとしている

 

より自然でいられるほうに

近づいていくために

 

それを聞いて

安心して涙が出た

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしはもう

今までのわたしを

心底やめたいのだと思った

 

なにもかも

うんざりなのだと思った

 

 

 

 

 

 

身体はもう

前のようには動かない

 

お願いされた仕事はたくさんあるのに

やらなきゃとは思いながら

なんだか意義が見出せなくなった

 

大切な人のこころに

うまくチューニングを合わせることができなくなった

いまは

わたし以外の人に心を向けないでと

わたし自身がはげしく訴えている

 

 

仕事よりも

信用よりも

大切な人よりも

 

 

ずっと

ずっと

ずっと

 

 

わたし自身のほうが

大切だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい

 

でも

 

やりたくないことは

1mmもやりたくない

 

 

 

 

 

 

 

新しいわたしは

夏から秋になるまでのあいだに

すくすくと大きくなって

 

新旧のわたしが

心の中で

入れ替わりをはじめている

 

 

 

 

 

 

 

わたしはこんなに

ダメ人間だったかな、と思うほど

なんにもできなくなって

 

もうどうでもいいやと思って

もう疲れた!なんて泣きごとを言ってみたら

泣きごとを言うたびに

重荷がふっと軽くなった

 

なんだ

わたしなんてこの程度の

人間だったんだ

知らなかった

 

でも

この程度の人間でも

大切にしてもらえるんだ

知らなかった

 

 

 

力を抜いても

ちゃんとプールは流れていて

とろとろとそれなりに

ゆっくり進んでいく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの木曜日の朝

 

わたしのなかでずっと

ノイズ混じりに不安定だった

チャンネルがひとつ

カチリと乾いた音とともに

 

新しい段階へ切り替わった

 

 

 

 

 

世界はもしかしたら

はじめから

何も変わっていなかった

 

変わったのは

きっと

わたしの方だったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り際

カウンターでひとりラーメンを食べる

うとうとと幸せな気持ちで

 

同じ電車のホームが

まるでちがう景色に見えた