あなたは
わたしが知っている人の中で
いちばん不思議な人
つい笑っちゃってごめん
だっていつも変だから
きて
こないで
いいね
よくないね
やろう
やっぱやめよう
振り子電車は
子どもみたいな
無邪気を乗せて
ぶんぶん振れるよ
酔いやすいから
優しくおねがい
わたしはもう
あなたの言葉を
前みたいにまじめに
聞いてない
車窓を
めまぐるしく
移りゆく景色
その先にある
遠くの山と空の
遠く遠くに
焦点を合わせるように
でたらめな言葉の中から
聞こえる
微かなささやきに
耳を澄ませる
きみが語りかけている言葉
すこし歪で愛おしい
わたしだけにわかる言葉
厚くまとわりついた
薄皮を剥がしながら
すこしずつ辿り着く
やわらかいこころ
わたしもここから
きみだけに
聞こえるように
そっと囁くから
チューニングを
合わせていてね
きみだけにわかる言葉で
わたしはずっと
語りかけているよ
いつも
いつも
