居場所のない
いつか
が
どこからともなくやってきて
わたしのこころを
ノックする
コンコン
と
意地悪な響きで
こちらに迫ってくる
居場所のない
いつかよ
わたしの時間だけ
そっとこのまま
見逃してくれないか
いま
包み込まれている
優しさが
あまりにも美しいから
うまく直視できないんだ
ぜんぶ
夢だったんじゃないかと
いつか気がつく瞬間が
あまりにもこわいから
わたしは
こんなに弱かったんだと
きみに出会って
はじめて気がついた
薄く目をひらくと
外の光が
ぼんやりと視界にひろがる
そこで見るものを
わたしはたぶん
ほんとうは
ずっと前から
知っている
ぎゅっと力のはいった
まぶたを
手のひらを
やさしい風が
そっと
溶かしていく
