わたしのなかに
フォーカスするほど
わたしのなかに
あなたを感じる
散らかった洗濯物に
朝日が射しこむ
この風景にも
レンズを覗いている
わたしを忘れるほど
魅力的だった
あなたは
あまりにもわたしと
違いすぎて
同じすぎたから
境目がわからなくなった
あなたを
見つめるのをやめたら
苦しさが消えて
わたしはわたしを
思い出したよ
あなた越しに
見えてきたもの
すっかり忘れていた
遠くて懐かしい世界が
わたしの日々を
優しく彩っていく
シャッターを押す
わたしが
わたしの本質だと
レンズ越しのあなたが
思い出させてくれた
わたしのなかに
映る世界を
わたしはどんな色合いで
現像しようか
そこにはいつも
わたし越しのあなたが
映り込んでいる
