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リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

女の子と男の子が溶け合うとき

 

 

わたしは3人きょうだいの長女で
下に弟がふたりいる

 

アルバムをめくると
真っ黒に日焼けしていて
髪はいつも短くて
男の子にしか見えない
それはほほえましくもあるけど

 

この子がなにを感じていたのかは

あんまり思い出せない

 

 

 

 

 

スーパーマリオ

ドラゴンボール

遊戯王

 

遠くで男の子たちが

笑っている

 

 

 

シンデレラ
ラクルガールズ
人魚姫

 

近づけない

女の子たちの輪の中

 

 

 

 

 

ほんとうのわたしは

ずいぶん遠い昔から
どこかで眠っていたのかもしれない

 

 

 

 

 

わたしは女の子だった、
はずだったけど

女の子であることは
どこか居心地がわるく

わたしを恥ずかしい気持ちにさせる

 

 

 

 

 

 

 


買い物には
苦手なジャンルがある

 

化粧品
美容
仕事用ではない洋服
アクセサリー

 

本当にほしいのかどうかが

わからなくなるのだ

 

「大人になったら」
「いつか余裕ができたら」
「もういい年だから」
あれこれ理由をつけて


女の子としての自分と
深く直結するものほど
遠ざけたくなる

 

 

 

 

 

 


「中身にはお金を使えるのに
 外見には使えないんですね」

 

「あなたは女性なのだから

 自分を彩ってもいいのですよ」

 

 

 

 


大人になって唯一
許せるようになった
かわいい下着たちが頭をよぎり

その理由がわかったとき、
涙が出た

 

 

 

 

 


わたしはずっと
女の子である自分から
距離をおいてきたのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 


ピンク色の色鉛筆
おかあさんの口紅
きせかえ、おままごと
セボンスター

 

 


わたしは女の子だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


性別のことを
とくに意識したことはなかったのに
今書きながらはじめて思い出してる

 

 

 

 

 

 

 

 

忙しい日々が続くと
無意識に思考が優位になり
男性的になりますね

なんて、すこし前に
ストーリーズでつぶやこうとした


自分を出す恥ずかしさから
一般化しようとするくせが

わたしをすこし
複雑にしている

 

 

 


おっとりした女の子は
与えられた役をまじめにやって
強くなった

それだって紛れもなく
わたしのアイデンティティだから

 

 


そうして身につけたものを
否定したくはないけど

 

 


うまく人を頼れない
素直に伝えられない
自分の弱さを

ときに責め、あわれみ
呪いたくなったりする

 

 

 


たとえばわたしが男性だったら

もっと可愛らしく
こまやかで
気の利く女性に
そばにいてほしい

 

 

 

どうしようもない悲しさを
世界に映し出して

落ち込んだりもしたけど

 

 

 

 

わたしは自分のことを
こんな場所に
閉じ込めておくわけにはいかない

それだけは絶対に
あきらめたくない

 

 

 


誰のためでもない
わたしのために

ほんとうに欲しいものを
今度こそ与えてあげたい

わたしにはわたしを
幸せにする責任がある

 

 

 

 

 

 

眠れる森の女の子は
いばらの森
ずっと
眠り続けている

 


彼女が目覚めたとき
女の子と男の子は
溶け合ってひとつになり

 

そのときはじめて

わたしが生まれるのだと思う

 

 

 

 

 

 

わたしは女の子でいい

 

 

 

 

 

そこにたどり着くまでの

道のりは

やり方は

まるでわからないけど

 

 

 

前よりもわたしは

女の子に近づいている気がする