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リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

わたしが嬉しいこと

 

 

 

 

あなたが

 

好きなものを携えて

 

生きていることが

 

 

 

 

とても格好よくて

 

わたしはとても

 

嬉しい

 

 

 

 

わたしも

 

好きなものを抱きしめて

 

そんなふうになりたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの

 

元気がいつも

 

わたしを満たすから

 

 

 

 

 

あなたが

 

元気がなかったら

 

わたしの元気をあげる

 

 

 

 

 

手のひらを

 

すこしだけ

 

ひらいてごらん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたがただ

 

あなたでいることが

 

嬉しい

 

 

 

 

 

 

格好いいときも

 

そうでないときも

 

 

 

 

 

 

あなたがただ

 

あなたであることが

 

 

 

 

 

 

わたしはとても

 

美しいと思う

 

 

 

 

 

 

 

春の光にはまだもう少し

 

身体を動かすときの

もったりとした

鈍さ

 

プールの中を

歩くみたいに

 

水がまとわりついてきて

歩みを進めるのに

よけいな圧がかかる

 

 

 

 

 

 

やりたいことだけは

心を急き立てるけども

 

窓を開けたくない

まだ眠っていたい

 

 

 

 

 

 

これは「重たさ」だ

 

悲しみとか痛みとかではない

 

もっと質量のある

漠然とした空気の重さ

 

 

 

 

 

 

昨年の冬

わたしを抱きしめて

魔女は教えてくれた

 

生き物はみんなそうだよ

植物も動物もそうだよ

 

月や空が移ろうように

ごく自然なことだよ

 

 

 

 

 

 

クマはいつ

冬眠から覚めるのだろうか

 

春の光にはまだもう少し

 

いまは

生きているだけで

だいじょうぶ

 

 

 

 

 

and I say

It’s all right

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとりの荷物

 

 

悩んでいたことを

抱えきれなくなって

言ってしまった

 

 

 

 

 

言った瞬間

ふわっと花が散るみたいに

涙がたくさん出て

 

ベッドが何メートルも沈んで

あたたかい穴に落ちた

 

 

 

 

 

どこかから

「がんばった!」

と声が聞こえて

 

 

 

 

 

 

ずっしりと重たかった荷物は

今この瞬間

わたしひとりのじゃなくなったんだ

と思った

 

 

 

 

 

 

窓の外には

きらきらと

夜の東京と海が光っていて

 

 

 

 

 

 

わたしは今日のことを

一生忘れないだろうと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

コーヒーの中にほどけてゆく

 

ぼんやりして

頭がうごかない

 

はやく世界に

ついていかなくちゃ

と思うのだが

 

なにが起きているのか

なんだかよく

わからないのだ

 

 

 

 

 

 

いま

あたたかいコーヒーが

運ばれてきて

 

ぼんやりと動けないまま

じいと見つめている

 

ふわりと湯気がたつ

 

その奥の

濃いブラウンの水面を

すべるように

 

あたたかな油の膜が

マーブル模様を描いて

踊っている

 

 

 

 

 

ホットコーヒーの湯気の奥に

こんな景色があることを

わたしは今まで

見たことがなかった

 

こんなに静かに

コーヒーの中に

入ったことがなかった

 

 

 

 

 

 

わあ、すごい

と思ったら

 

子どもたちと

遊んだことを思い出した

 

 

 

 

子どもはいい

 

大人の時間軸や

大人の世界を

ぜんぶ吹っ飛ばしてくれるから

 

今この瞬間だけを

駆け抜けていく

その鮮やかさが

 

わたしを

子どもの世界に

ぎゅうと引き戻してくれる

 

それはひとつの救いだった

 

子どもみたいに走って

すべり台を滑った

 

あの景色を思い出したら

涙が出た

 

 

 

 

 

いまひとり

あたたかいコーヒーと一緒に

心がこぼれ落ちてゆく

 

わたしはほんとうは

ずっと

泣きたかったのだ

 

いまこの瞬間まで

そのことがわからなかった

 

 

 

 

 

 

テレビは怖かった

調べても調べても調べても

なにもわからないことが

 

人々が

こころが

世界そのものが

怖かった

 

このあたたかな空間に

スッとナイフが入り

ふとした拍子に

向こう側へと

めくれてしまう気がして

 

 

 

 

 

 

大人のままにいることは

とうにキャパオーバーで

わたしは苦しかった

 

ぱんぱんになった

風船がしぼんでいくように

 

コーヒーの中に

わたしの身体が

ほどけていく

 

 

 

 

 

 

火のそばに

 

ようこさんちの

薪ストーブを

思い出した

 

炎はいいね

わたしは

あたたかいと

安心する

 

 

 

 

 

 

わたしの願いは

ただ

ひとつだけ

 

欲しいものは

べつに

なんにもないかな

 

 

 

 

 

 

どんなに世界が

暗くても

 

あなたが

あなたのまま

そばにいてくれたら

 

 

 

 

 

 

火のそばに

いさせておくれよ

 

 

 

 

 

 

わたしを

あたためて

照らして

 

そのためだけに

燃やし続けて

 

 

 

 

 

 

ずっと

ずっと

 

ずっと

 

永遠に

 

 

 

 

美しさとおそれ

 

 

美しさと

おそれは

とても似ている

 

 

 

 

 

 

張り詰めた糸を

ぴん、と

指ではじくと

 

水滴が

ぽたりと落ちて

 

まっすぐな円で

波紋が広がる

 

 

 

 

 

 

抱きしめるように

慈しむように

 

いっぱいになって

こぼれ出てくる

 

やわらかく

優しい

羽のついた音

 

 

 

 

 

 

瞳のなかの

つめたい石が

 

あたたまって

ぽつり

ぽつりと

 

カウンターの中で

通り雨になる

 

 

 

 

 

 

このあたたかさが

どうか

終わりませんように

 

そう願う

 

すばらしい演奏

 

 

 

 

 

 

 

ギターの音は

星のまたたき

 

子どものように

老人のように

 

愛しいものを

抱きしめるように

戯れるように

 

音と

音が

 

踊っている

 

 

 

 

 

 

 

 

だれもが

芸術を求めながら

 

芸術に愛される人は

ほんのひと握り

 

 

 

 

 

 

 

厳かな声で響く

おじいさんの詩は

 

神殿までの

のりを描き

 

 

 

 

 

 

圧倒的なものへの

おそれとは

 

祈るような

静かな気持ち

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽は

決してあなたを

手離さないだろう

 

 

 

 

 

 

 

わたしはそれを

知っている

 

 

 

 

 

 

 

明日、死んだって平気

 

 

わたしはもう

明日、死んだって平気

 

今日をいっしょうけんめい

生きたから

 

愛する人たちに

いっぱいの愛を伝えて

 

愛する人たちに

いっぱいの愛をもらったから

 

 

 

 

 

 

「あなたはすでに

亡くなった人みたいに

生きているのね」

と言われて

 

「そのとおり!」

と思った

 

 

 

 

 

 

わたしの魂は

ここにいると同時に

既にここを去っていて

 

すべてが愛おしく

すべてがどうでもいい

 

この世とあの世は

いつか夢で見た

空と海のように繋がってて

 

誰もいない学校の屋上

陽だまりの保健室から

ずるい人だけが

抜け穴をワープする

 

 

 

 

 

走らせた絵筆から

ドーナッツが

お花が

ハートが星屑が

 

溢れる

無限に

キャンバスの端っこまで

 

わたしが

好きなものだけ

描きつづける限り

 

 

 

 

 

 

恋に終わりはなく

何度でもとろけて落ちて

 

愛すれば愛するほど

いっぱいに膨らんでいく

 

オレンジでピンクで

ラメでゴールドの

 

これがわたしの世界

 

 

 

 

 

 

世界が

 

わたしを好きでも嫌いでも

そっぽを向いて怒っても

 

わたしはちっとも平気

 

今日をいっしょうけんめい

愛したから

 

そして

明日も明後日も愛してると

知っているから

 

 

 

 

 

 

すべてが愛おしく

すべてがどうでもいい

 

空を泳いで

海を羽ばたく

 

これがわたしの世界