わたしが(恐れ多くも)専門学校の非常勤講師というお仕事をさせていただくようになって、はや、3年。
毎週数時間を、ひとまわり下の学生さんたちと過ごすことになった。
振り返ってみれば短いひとときだったけど、とても貴重な時間だったな〜。
みんなほんとうに、ありがとう。
はじめは、自分が苦労して身につけてきたものを教えることが、すごく恐かったのを思い出す。
きっと、どこか自信がなかったんだよね、わたしも。
だけど、いつしか、
自分の知ってることぜんぶ、余すところなく伝えたい!!
そんな気持ちにさせられた。
みんなの目があんまりにもまっすぐで綺麗だから
本気で応えなきゃ、って、思ったんだよ。
ちなみにこれは「食パン」をテーマに、チームごとに自由に企画編集して特集を作ってもらったときのもの
おいしい食パン屋さんに取材するとか、いろんな食パンを食べ比べるとか、いろんな切り口があったと思うけど、まさか2チームとも「作る」ほうにいくとは。やっぱり、クリエイティブ。
このチームは、ディズニーのキャラクターをそれぞれ食パンで再現してくれました。
ぜんぶ自分たちで考えたオリジナルレシピ。家から材料やトースターを持ち寄って、楽しそうでした。
撮影小物もそれぞれのキャラクターにあわせて、工夫しているんだよね〜
このチームは、曜日別のファッションコーディネートと絡めて。
popteenとかのティーン誌に特集されてるイメージなのだそう、
モデルはチームメンバーのなっちゃん。スタイリングも凝ってるね、楽しそ〜
食パンくわえてイケメンとぶつかるなんて設定が古風だね笑
若いひとたちの素直な感性に触れていると
自分が与えられるものなんてほんとうにちっぽけで
むしろ、
与えられるもののほうが多いんだってことがよく分かる。
教えることと、教わること、ほんとはとても似ているのかもしれないね。
そんな大好きだった授業も、これで最後。
ちゃんと自己PRできるツールを作ってほしくて
最後の課題は「自分」をテーマにZINE(個人で作るちいさな読み物)をつくることにした。
まず、自分自身を深く掘り下げるところから始めてもらって、
着地点はごくライトなものになるだろうけれども
それでもなにか、考えるきっかけになればいいかなって、テーマを決めたのだった。
そしたら、上がってきた作品には
ちょっと受け取るのにパワーが必要だってくらい、彼女たちのほんとうの想いがめいっぱい表現されてて
先生は家に帰ってこっそり泣きましたT T
きれいになんてまとまらない、
自分が好きなものについての、ページに収まりきらないくらいの情熱とか
世界に対しての、子どもみたいに純粋な問いかけ、
過去の、きらいな自分を受け入れること、未来への潔い宣言であったり
本気で向き合った人にしかできない、自分というものが世界になにを残せるか、っていう自問自答の跡。
きっと、年齢を重ねるたびに
この鮮やかさは遠ざかっていくはずで
だからこそ、ものすごく、価値があって
おとなになって見返してみたら、
当時の自分をまぶしく、誇らしく思い出すだろう、
そんなものを見せてもらえて、わたしはほんとうに幸運でした。
そして
わたしはずっと、デザインを教えているつもりでいたけど
ほんとは、デザインの完成度なんて、二の次でいいのかもしれない。
なんて、それはそれで誤解を与えてしまいそうだけど笑
社会に出て場数をこなせば、デザインなんて、誰でも上手になれるんだもの。
それよりも、
もっと内面的な、考えを深めていく方法とか、
自分自身の感覚に向き合うこととか、
そんな自由な実験が、たくさんできる場所でありますように。
デザインってほんとうに、楽しいって、何度も思えますように。
これから先、また再会できたときには、
おなじクリエイターとして、美味しいお酒でも飲みましょう。
そして、わたしがなんとか「こえびす先生」として存在していられたのは
尊敬する大好きな宮脇先生の強力なバックアップと、
常勤の先生がたの親身で優しいご指導があったからこそだと思っています。
ほんとうにありがとうございました。
わたしは新しく見つけた自分の道を、みんなに負けないくらいのフレッシュさで、歩いていきます。
そんなこともいつか、学生さんたちにシェアできたら、いいな。
これからも、よろしくお願いします。
愛を込めて。