listen こえびメモ

リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

あん

 

いつ観たんだろ、ずいぶん前のような気がする。

玉島文化ホールで、たくさんのお年寄りといっしょに観たのがよかったな。

(ちくちゃん誘ってくれて、ありがとう)

 


演技ではなく

在り方、のような。

 

俳優というよりも、その人自身

その人自身が積み重ねてきた、

存在の確かさで

 

空間が支配される。

 

 

 

満開の桜と、真っ白なひかり

画面いっぱいにひろがる ほんものの春の景色

 

彼らのからだを通して、

息を吹き込まれた

それは

わたしたちが暮らしているこの世界そのもの

 

 

youtu.be

 

すこしの登場人物と

 

ほんものの

春と、夏と、秋と、冬と、

 

限りなくシンプル、なのに

あんこが端までたっぷり入っているみたいに

ひとつひとつの瞬間に、ずっしりとした質量がある

 

演出して作り上げるのではなく

あたりまえに存在している自然な感覚を

ていねいに掬いあげているから

だろうか

 

 

 

河瀬直美監督の創り出すものは

「映画」じゃなくて「作品」と呼びたくなる

その違いってなんなんだろう

 

端から端まで監督の血が通っている、

そういう純度の高さだろうか

 

 

原作は、ドリアン助川さんなのだそうだ。

 

どんなに暗い場所にいても

ひかりを求めて、どこまでも

ただ生きていくために

腕を伸ばしていく

 

しなやかに、力強く。