listen こえびメモ

リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

ご近所の天使

 

あたたかい日

いつもの道を歩く

 

 

いつもわたしはこのあたりを午前中に歩くので

夕方はたくさん親子連れや若い子たちがいて

みんな楽しそうだなと思う

 

わたしはこのあたりの人ではないから

コミュニティがまったくないので

みんながすこし羨ましい

 

 

わたしも誰かとお喋りしながら川を歩きたいなあ!

と思っていた。

 

 

 

小さな川沿いには

鯉がいる

カルガモがいる

白鷺がいる

 

相変わらず可愛い道である

 

 

おや、あの河津桜

いつのまにこんなに咲いたのかしら

春だなあ

 

アングルを定める

逆光はこんなに美しいのに

iPhoneでは再現できない

 

「まあ〜〜ほんとうにきれいな河津桜ねえ」

わたしの後ろにおばあちゃんが立っている

同じことを感じている人がいて

わたしは嬉しくなる

 

「ねえほんとに わたしはじめ桃かと思ってて」

「ええ ほんとに綺麗なピンクだわねえ」

 

 

 

おばあちゃんと歩きながら話す

「あなた白鷺は見た?」

「たぶん見たと思うーーカルガモも見たかな」

「そう いま白鷺はね発情期でね 胸の毛がこうふわっとなってね」

「えー知らない そうなんですね!」

「とっても綺麗なのよう」

 

 

いろいろ世間話をしながら歩く

たくさんいろんなことを教えてもらった

 

例えば、いま私たちが歩いてるここは目黒区だとか

(すごいびっくりしてしまったけど、世田谷区と目黒区の切れ目はどこなのかよくわからない笑)

おばあちゃんがお住まいの駒場が美しくて静かでいいところだとか

東大の食堂は美味しくておすすめだとか

首都高の向こうのビルの屋上に

美しい庭園があるだとか図書館があるだとか

そこから富士山が見えるだとか

 

「あなた時間あるならわたしと一緒にあそこに行かない」

と誘ってくださったのだけど

やらなきゃいけないことがたっぷりあるので

丁重にお断りさせていただく

 

 

分岐のところに来たので、

じゃあ、また、

と言ってお別れする

 

 

 

かわいいおばあちゃんだったなあ

嬉しくて顔が笑ってしまう!

 

そういや、たしかにわたし

誰かとお喋りしたいなあって思ってたなあ

 

 

 

あれは天使だったのかなあ

そんなふうに思う

 

 

おばあちゃんも寂しかったのかもしれないなあ

きっと、都会のさびしさは

人がたくさんいることで生み出されているんだと思う

 

 

 

みんなどこかさびしさを抱えて生きている

それは、物理的なことではなく

たくさんの人に囲まれていても

孤独な瞬間はある

 

 

 

 

わたしが彼女のそばで癒しを感じたように

彼女にとってもそうであったらいいなと思う

 

 

おばあちゃんが今どこかで元気にしてると思うと

東京がまたひとつ好きになる