荷物の移動が終わって
お世話になった人たちに、これからのことを報告して
すこしずつ、頭のなかのことが現実になる。
そして
わたしの住処はすでにもう、ここにはないのだけど
無意識に、いつもの川沿いに来てしまう。
わたしは、あたらしい場所で、
ちゃんと、居場所を見つけられるのだろうか。
ここで見るよりもきれいな朝日とか
おだやかな川や、きれいな月や
まわりにいる愛すべき人たちの
にぎやかな悪口とかドタバタとか
陽当たりのいいソファや窓から見える路面電車の街並み
下の階から聴こえてくる音楽とか
ふらっと覗いたお店のいつもの人たち
大切なあたたかいお客さんや
みんなの声を聞きながら描くスケッチ
今ここにあるものよりも
すばらしいものは見つけられるのだろうか。
自分が心から望んだことでも
変わっていくということは、恐いこと。
今日は、どこまでも、不安が広がっていくみたいだ。