「万引き家族」
じーんわり、余韻の残る作品。
だれかと、話したくなる。
是枝監督の作品には、
とても、やさしい余白があると思う。
観た人の心の中で、完成する余白。
いろんな解釈が、ゆるされる余白。
どんなに、正しくないことだとして
その何かをよりどころにして、
必死で生きている人を、
だれが裁くことができるだろう。
わたしたちの目に見えているものは、
いつだって、
ものごとの、ほんの、一部分だけ。
なのに、すべてを分かった気になってしまうのは、なぜだろう。
想像したい。
いま、見えているものの、裏側にあるものを。
いまこの瞬間、この世界のどこかで、さみしい想いをしている誰かのことや
わかった気でいるかもしれない、大切な人のことも。