listen こえびメモ

リスン・デザイン こえびのブログ

日々感じていることをつらつらと書きます。

今日のダーリンより(190123)

 

 

仕事がうまくいかなくて、凹んでたときだったかな。

 

父が言ってくれたことがある。

お前はなにもできなくても、

笑ってそこに居るだけでいいのだ、と

 

そのときは、お飾りじゃあるまいし、

何も期待されていないみたいで不本意に思ったものだけど

 

たしかに、

笑っているって、たいしたことだよ。

 

 

それをまっすぐうけとってくれる人がいるなら

ずっと笑っていられたらいいね。

実が綻ぶみたいに、心からはじけるように

カラカラといい音がするような

 

そんなふうに、いつも上機嫌でいられたらいいね。

 

 

 

・近くに年寄りがいたせいで、幼いころに耳にしていた。
 祖母たちは、栗のイガイガのある部分が割れて、
 内側の実が見えるようになった状態を、
 「えんでいる」と言っていた。
 他に聞いたことのないことばなので、こどもごころに、
 それは昔の人たちの使う妙な方言だと感じていたが、
 ずっと大人になってから、
 「笑む」という漢字が当てられるのだと知った。
 花の蕾が開くことも「咲く」というけれど、
 漢字の源まで遡ると「咲」と「笑」は同じものだった。

 なにか、内側にあるものが、有り余って、
 小さな爆発を起こして殻を破ってしまう。
 ぼくは、そういうことを表していると感じた。
 「ぽっ」という音が聞こえるような、微かな破裂も、
 それはそれで、内に「そのままでいられない」ものが、
 機会をうかがって存在していたということである。

 「笑」が爆発の表れだと感じてから、
 ぼくは「笑い」というものを、また好きになった。
 内にあるもののいたたまれなさによって、殻が割れる。
 そう、見えないほどの微笑みさえも、割れなのである。

 ぼくは犬好きなので、犬が笑うということをよく言う。
 しかし、犬の笑みには、破れや割れはない。
 人間だけが、内側からのこころの圧によって、
 唇を割って笑うのだ。

 最近、赤ん坊を見る機会が多いものだから、
 生まれて間もない人が笑うようすをよく見る。
 こころになにが有ってのことなのかはわからないが、
 彼女は、ほんとうによく笑うのである。
 笑うことによって、人を惹き付けるという意味では、
 泣いて叫ぶこと以上に、その効果は高い。
 赤ん坊の笑むのを見て、大人たちが笑むことになる。
 ことばのひとつも知ってはいない人間が、
 笑うということだけで、ずいぶんの大仕事をしている。
 赤ん坊よ、そのままでいいぞ、大人になっても笑え。
 笑むことを止めるな、笑んであなたのこころを見せろ。
 そう願いながら、ぼくも笑みたくて、彼女を見ている。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
『また もりへ』という絵本、すばらしい笑いの本でした。

いびつな欠片がきらきら光る

事務所の仲間に

ここのところ、すこし体調を崩して、

休職状態になってる人がいるのだけど

今日ひさしぶりに、その人から連絡があったのだそうだ。

心配していたよりもずっと、元気そうな状態で

復帰のめども立ちそうなのだと

そのニュースが、久しぶりに、みんなの顔をほころばせた。

 

 

わたしは皆の心からホッとした様子を見て

彼の担っている役割と、存在の大きさを感じる。

 

飛び交っているのはただの憎まれ口なんだけど

ここのところお葬式みたいだったこの場所が

ひさしぶりにぱっと、明るくなった。

 

 

まわりにどれだけ愛されてるか、必要とされているか

自分がいる場所からは見えにくいし、

たぶん実像は永遠に見えないのだろう。

そしてそれはたいてい、

自分が想像しているものよりもはるかに大きな価値をもって

受け入れられているものだと思う

(そんなもんわざわざ親切に教えてくれる人はいないけどね)

 

 

 

ちょうどピントが合ってるのか

わたしの場所からはその様子が、とてもクリアに見えるみたい。

 

それは発している人もまるで自覚していないような

無防備でいびつなものなのだけど

べらべらべらべらお喋りもたいそう好調

いつも寡黙な表情もほころんで

 

なんか、これってあれだよね、

特別な人にしか出さないやつだよね

って

あまりに可笑しくて、おもわず笑ってしまった。

みんなよっぽど大好きなんじゃな~

 

 

だからって彼がそれを是とするのかどうかはまた別の話だから

わたしはガンバレなんて言わない

それにわたしならぜったいこんな人たちと働きたくない。。。!!

 

だけど、

どうやら、そういうことみたいだよ。

わたしも、待っているよ。

 

 

 

 

初夢

 

こんな夢を見た。

 

おだやかな海の、波打際にいる

わたしはまだ子どもの姿をしていて

砂浜で三輪車を漕いでいる

 

気づけば、あたりには沢山の人がいて

わたしは大人の姿に変わってしまっている

三輪車を漕いでることが恥ずかしくてたまらない

通りがかったカップルに、へんな人がいると、笑われてしまった

 

たまらず

全速力で三輪車を漕ぎ、誰もいない場所にいこうとする

「あんなやつらに、笑われたってかまうもんか」

 

一漕ぎするたびに、ありえないスピードで景色が変わっていく

なんだか、宙を浮いてるみたいだ

 

小さな路地裏を抜けて、

ものすごく広い商店街に入る

床は真っ赤なタイルがどこまでも続き、ピカピカと輝いている

なんだか、中華料理屋みたいだな?

思い出した、ここは中華街なんだった。

 

大きな路面電車が二車線も走っている

おかしいな

いつもは一車線のはずなのに

 

そう思った瞬間、景色がかわる

そうそう、こんなふうなイメージで、

商店街の真ん中をまっくろな路面電車の「KURO」が走っていて、、

そうそう、いいかんじだ。

頭で思い描いたとおりの世界が、次から次へと、目の前に現れる。

 

わたしは気づく

そうだった

わたしはいつでも、思ったとおりに世界を変えることができるのだった

 

そして同時に思い出す

そうだった

だって、これは夢なんだった

 

 

ここで目が覚める。

 

 

だったら

夢と現実との境目って、どこにあるんだっけ

ぼうっとした頭で、ぼんやり考えていた

 

喧騒からすこし離れた場所で、ひなたぼっこしながら

まどろんでいたときのこと。

 

 

 

no title

 

忙しく動いているあいだは

つよいひとみたいな気持ちでいられる

ふっと、考えるすきまができると

自分のよわいところが、見え隠れする

 

 

 

仕事のことはだいたい、わかるのに、

それ以外のことになると

急にわからなくなってしまう

 

 

わたしなんか

のあとに続くことばは

予想通りにつまらないのに

 

とてもあいたかった、とか

とてもうれしい、とか

 

かんたんなことを

かんたんなままに伝えるのは

なんて難しいのだろう

 

 

 

求めたらきっと、

できるかぎりの優しさをくれるのだろう

そのひとは

わたしのさびしさをしらない 

 

 

わたしも、あなたにとって

そうであったらいいのに

  

わたしにとってあなたが

そうであるように

 

 

 

 

 

君の名前で僕を呼んで

 

君の名前で僕を呼んで

 

それだけで涙がでそうな

美しい題名に心惹かれて

ずっとずっと、観たかった映画。

 

公開中に足を運べなくて

DVDになるのを待ってた。

映像も音楽も、なにもかもが、すばらしかった。

 

 

出会ってしまうこと

 

彼がいなかったこの世界が

彼がいる世界に変わる

その瞬間に、ぜんぶ

 

もう戻れない

気づいてしまった

一瞬、すれ違った、きらめきが

永遠に刻み込まれる

 

だれかを愛おしいと思う気持ち

性別よりも、もっともっと深いところで

 

www.youtube.com

 

 

この映画に登場するひとの中に

つまんないことを言い出す人がいないのがほんとうによかった。

息子の繊細な恋心に気づいて、やさしく見守る両親も

 

お父さんが、最後にエリオにかけることばが

とても普遍的で、愛に満ちていて、すばらしかった

自分もだれかの感情に寄り添う時はこんなふうでありたい、と思わせてくれるような

(ネタバレ注意)

 

 

それは彼だったから

それは私だったから

賢いお前にはわかるだろう

稀有で特別な絆だということが

 

人は早く立ち直ろうと

自分の心を削りとり

すり減らす

新たな相手に与えるものが失われる

 

だが何も感じないこと

感情を無視することは

あまりにも惜しい

 

 

今はまだひたすら悲しく

苦しいだろう

 

痛みを葬るな

感じた喜びで満たせ

 

 

 

マーブル模様の、こころのなか

 

近ごろ、

いままで聴こえなかったものや
いままで見えなかったものが
どんどん、わたしのなかに染み込んでくる

こころの中に
いろんな色があふれかえって、
うまく舵が取れない

笑っちゃうくらい、滑稽な
マーブル模様の、こころのなか。

 


月の爆撃機という歌が好きだった
ガラスごしに見る世界は
自由で、静かで
ひとりぼっちで心地よくて

だけどわたし、気づいてしまった
これは弱さなのかな
それとも

 


窓の外には
わたしが、世界だと思っていたものより
はるかに豊かで、いろんな色があって、いろんな音があって

それにいちいち、驚いてみたり、
おそるおそる、ふれてみたり
後ずさりしてみたり

おっかなびっくり、
感じて、共鳴して、震えている。

 


こわくてたまらない
けれど、
のぞいてみたい

その先になにがある?

 

たとえそれが
みんなが教えてくれるとおりだったとしても


感じてみたい
うれしくて、飛び跳ねて
がっかりして、傷ついて
それでもまた駆け出していく


子どもみたいに
なにも怖れずに

 

 

わたしが、わたしにたどり着く。

 

 

先日、東京に行ったときに

すばらしいデザインチームの展示を観た。

 

 

繊細で美しく

どこか空っぽで

深く引きこまれる

静かな世界

 

 

うつくしいな、と思う

とても、とても素敵。

 

 

 

だけど、

わたしが思ういちばん美しいかたちは、

この中のどれとも違う

 

わたしにしか生み出せないかたち

わたしならもっと

 

そんな強い感情が立ち上ってくる

 

 

静かに疼いている

こんな感情がまだ自分の中にある

 

 

どんなに著名で、

どんなに素晴らしいデザイナーの中にもないアイデア

世界中でわたしだけが持っている

 

  

だれかのために、なんて、

別のだれかになろうとして

自分を消してしまってはいけない。 

 

 

 

listen」という、たいせつな屋号

わたしが耳をすませるべきなのは、

目の前の相手よりもまず。

 

 

まわりの声や風向きから離れて

自分自身に、チューニングを合わせる。

 

 

 

わたしがわたしにたどり着く。